社外取締役設置義務のある会社形態が新設について

投稿日:2021年11月3日 更新日:

社外取締役の設置義務

今回は会社法の改正により社外取締役を置かなくてはならない、社外取締役設置義務のある会社形態が新設されました。

会社を経営するに当たり役員を増やさなくてはならない、ましてや外部から役員を召集しなくてはならない。

と、なるとこれも大きな改正であると言っていいでしょう。

今回はどういった会社がこれに当たるのか、新設された経緯等を見ていきましょう。

はじめに。社外取締役とは?

社外取締役の最大の特徴は「組織や事業、社長を含む他の取締役とのしがらみや利害関係がなく、客観的に会社の経営状況に意見することができる」ことです。
近年「コーポレート・ガバナンス」「企業統治」といった単語を見聞きすることが増えました。

これは業績の向上はもちろん、会社が法令を遵守し、不正行為や暴走をしないよう監視する体制・仕組みを指します。

業務の執行として通常、取締役会設置会社では取締役の過半数が出席し、出席した過半数の決議で業務執行を決定していきます。

これにより社外取締役の数が多ければ不正を働くことが難しく、長い目で企業価値の低下を防げることと考えられるでしょう。

社外取締役は、このコーポレート・ガバナンス推進のための機能のひとつと言えます。

会社は株主のものであるとの考えに基づいて、企業の株主価値最大化の実現のために経営状況を監督するのが社外取締役の役割です。

外国型会社に関する会社法の改正についての経緯

社外取締役の設置義務が新設された経緯として令和2年までの会社法ではある一定の規模の会社においては、社外取締役置く事ができない時は必ずそれを株主総会において株主に対し「こういう理由でうちの会社では社外取締役を置くことができません。」と報告しなくてはいけませんでした。

これは国家政策として海外の投資家を日本の市場に呼び込むのが狙いでしたが日本は海外と違い現在でもワンマン社長、親の代から引き継いだ世襲社長など、閉鎖的な企業が数多くあります。

この社長が何らかの問題により辞任した際には代わりに有能な役員をすぐに選任できなかったり、企業価値を下げる様な古い慣習をリニューアルせず世論に悪評が立ったり、法令を遵守しない社長の株価の操作や水増しした会計により逮捕されたり、と、株価が暴落するケースを海外投資家が嫌った為、ほぼ毎年の様に会社法が改正されましたが、投資家を呼び込む為の本丸である外部からの社外取締役の招集といった様な外国式の会社形態は、経団連の反対などによってなかなか日本には浸透していきませんでした。

平成の半ばから非常にゆっくりではありますが徐々に指名委員会設置会社や、監査等委員会設置会社などといった会社形態が会社法に織り込まれてきましたが、遂に、令和3年3月1日よりある一定の規模の会社には社外取締役の設置義務が新設されました。

これにより現在の株価上昇に一躍買ったのではないでしょうか。

 

ではどの様な会社に設置義務が課されるのでしょうか?

 

社外取締役の設置義務が新設されたされた会社とは?

改正前会社法では、社外取締役の選任は義務にはなっておらず、監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限ります。)であって有価証券報告書提出会社は、定時株主総会において社外取締役を置くことが相当でない理由を説明しなければならないとされていたのみでした(改正前会社法第327条の2)。

しかしながら、今回の改正会社法において、社外取締役を置くことが相当でない理由の説明を行えば足りるとされていた上記の会社について、社外取締役を設置することが義務化されることとなりました。

 

つまり上場している会社でかつ、資本金の額が5億円以上、または、負債が200億円以上ある会社で、監査役会設置会社である会社がこれに当たります。

これは非常に大規模な会社であり日本では余り多くない携帯の会社であると言えるでしょう。

一般の国内中小企業の社長さんはこれを見て驚いた方もいるかもしれませんが安心していいでしょう。

 

社外取締役の選任義務に関する経過措置として

改正会社法第327条の2の規定は、施行後最初に終了する事業年度に関する定時株主総会の終結の時までは、適用しないとされております(改正省令案附則第2条第7項)。

例えば、3月に事業年度末を迎え、6月に株主総会を開催する会社の場合、2021年6月の株主総会の段階では従前の改正前会社法が適用されますが、それ以後の株主総会には改正会社法が適用されることとなります。

そのため、施行後すぐに臨時株主総会を開催して社外取締役を選任することまでは要求されておりません。

この法律が新設されて3ヶ月後に新たな社外取締役を選任しなくてはならないのでは少しの猶予を設けてくれたと言えるでしょう。(長い期間の猶予があったともいえますが、、)

 

以上の様な経緯があり日本の慣習から根強い反対がるなか、社外取締役設置義務が課されたわけではありますが、今後も細かな改正が続くことでしょう。

また逐一こちらで紹介していきたいと思います。

 

それでは今回はここまでです。

 

ありがとうございました。

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