承認、事実の調査等
今回も前回に引き続き土地国庫帰属法についてです。前回は、申請の際に添付する書面や、申請について却下しなければならない場合、却下した後の通知等についてご紹介しました。
今回は逆に、「承認しなければならない」 場合をご紹介します。この新設された法律は原則、相続などにより取得した土地を国に帰すために承認申請をし、様々な要件が整った場合には、法務大臣が承認する。という流れとなります。
今回紹介する規定は、申請があった時には承認をしなければならない。という例外に当たる規定です。
それでは早速見ていきましょう。
承認しなければならない土地
(承認)
第五条 法務大臣は、承認申請に係る土地が次の各号のいずれにも該当しないと認めるときは、その土地の所有権の国庫への帰属についての承認をしなければならない。
一 崖(勾配、高さその他の事項について政令で定める基準に該当するものに限る。)がある土地のうち、その通常の管理に当たり過分の費用又は労力を要するもの
二 土地の通常の管理又は処分を阻害する工作物、車両又は樹木その他の有体物が地上に存する土地
三 除去しなければ土地の通常の管理又は処分をすることができない有体物が地下に存する土地
四 隣接する土地の所有者その他の者との争訟によらなければ通常の管理又は処分をすることができない土地として政令で定めるもの
五 前各号に掲げる土地のほか、通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要する土地として政令で定めるもの
2 前項の承認は、土地の一筆ごとに行うものとする。
上記の通り、「崖や、簡単に元通りにできない汚染された土地や、直ぐに動かせない車両が放置された土地」などのように、簡単に使用することができないような場合以外には基本的には承認しなくてはならないと定めています。
職員による実地調査
この様に、土地の国庫帰属を法務大臣が承認する際に、帰属申請の時と同様に、審査の必要性がある時には、職員にその土地の現況を実地調査させることができます。
この調査とは、土地の現況などを調べる実地調査はもちろんのこと、その必要の限度において、土地に立ち入ることができ、近所の方への聞き込みや、調査の援助、土地の管理者に対しては、必要な書面の提示をさせるなどの協力を求めることができます。
この調査(立ち入り)によって土地の所有者または関係者に損害を与えた場合には、その物に対して損失を補償しなければなりません。
今回はここまでです。
こういった法務大臣の調査を経て(必要な場合)、承認。又は承認しない旨を申請者に通知して国庫帰属土地承認請求は完了します。
国庫に帰属することが承認された土地について。
この申請には、「土地を国にやるんだからいいだろ!」というものではありません。。申請者には負担金がかかります。
では、どういった土地に負担金が課せられるのか?
次回はこちらをみていきます。
次回で最終回となります。是非ご覧ください。
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