遺産分割に関する見直し

投稿日:2022年7月16日 更新日:

期間経過後の遺産分割における相続分

今回からは相続がらみではありますが、章を変えて、「遺産分割」についての改正された点を見ていきたいと思います。による見直しされた点を見ていきます。ここは施工時から5年の猶予期間を設けていますが、非常に重要論点ですので、よくよくみていきたいと思います。

 

期間経過後の遺産の分割における相続分

経過措置 改正法の施行日前走族を開始した場合の遺産分割の取扱い

改正法の施行前に、被相続人が死亡した場合の遺産分割についても、新法のルールが適用されます。ただし経過措置により少なくとも施行時から5年の猶予期間を設けることになりました。

 

(期間経過後の遺産の分割における相続分)

第904条の3

前3条の規定は、相続開始の時から10年を経過した後にする遺産の分割については、適用しない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。

2  相続開始の時から10年を経過する前に、相続人が家庭裁判所に遺産の分割の請求をしたとき。

3  相続開始の時から始まる10年の期間の満了前6箇月以内の間に、遺産の分割を請求することができないやむを得ない事由が相続人にあった場合において、その事由が消滅した時から6箇月を経過する前に、当該相続人が家庭裁判所に遺産の分割の請求をしたとき。

 

まず1項の「前3条の規定」とは寄与分についての規定です。903条、904条、904条の2の規定は寄与分による具体的相続分の主張を基礎付ける規定となっております。

今回の改正の背景として、相続が開始して、相続人が複数いると、遺産(相続財産)に属する土地や建物、動産、預金などの財産は、原則として相続人により共有されるが、遺産分割がされないまま相続が繰り返されて、多数の相続人よる遺産の共有関係となると、遺産の管理、処分が困難になります。

 

このような状況の下では、相続人の一部が所在不明になり、所有者不明土地が生じてしまう事も少なくありません。

 

長期間経過後の遺産分割の見直し

長期間放置された後の遺産分割では、具体的相続分に関する証拠が散逸し、共有状態の解消が困難となります。そこで、相続開始から10年を経過したときは、個別案件ごとに異なる具体的相続分による分割の利益を消滅させ、画一的な法定相続分で簡明なに遺産分割ができるよう仕組みを創設しました。

これによって、遺産分割が長期にわたって未了。という状態を防ぐ狙いがあります。

原則 

相続開始(被相続人の死亡)時から10年を経過した後にする遺産分割は、具体的な相続分ではなく法定相続分によります。

例外

例外として、10年を経過しても具体的相続分により分割をすることができる2つの例外が置かれております。

❶10年経過前に家庭裁判所に遺産分割を請求したとき

❷やむを得ない事由消滅した時から、6ヶ月が経過する前に家庭裁判所に遺産分割請求をしたとき

 

10年経過後の法律関係

10年が経過し、法定相続分等による分割を求めることができるにもかかわらず、相続人全員が、具体的相続分による遺産分割をすることに合意したケースでは相続分による遺産分割が可能です。

調停や審判によるケースでも、そもそも遺産分割は相続人間の合意によってそのものである相続開始後10年間が経過した後に遺産分割の申し立てがされ、その遺産分割の手続きの中で、当事者が具体的相続分による遺産分割を実施するとの合意をすれば裁判所は、その合意にとって遺産分割をすることになると解されています。

 

今回はここまでです。

次回は調停、審判の申し立てをの取り下げるときの改正点を見ていきたいと思います^ ^

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