本日はインターネットカジノについてです。
最近ネット広告でチラホラ見かける様になったインターネットカジノ(オンラインカジノ)についてお話ししたいと思います。
日本ではなんと100万人以上の利用者がいると言われています。
カジノと聞くと、2018年にIR推進法が成立し、現在においても国家が推進する一大プロジェクトではあるのですが、カジノ誘致に当たり現職国会議員が収賄で逮捕されたり、ギャンブル依存症の対策が不十分であるとの反対などもあり、なかなか進展のないのが現状です。
このプロジェクトにより、賭博罪が無くなったわけでも国内において(裏)カジノを開いたり、遊んだりする事は現在でも変わらず違法です。
賭博罪とは?
刑法185条、186条
「賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。」
「賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、3月以上5年以下の懲役に処する。」
と、賭博行為を罪として規定しており更に、賭博主催者として賭博をさせる場所を設けることは賭博をするより重い罪として規定しています。ここでいう「賭博」について、刑法は具体的な定義を定めていませんが、一般的に、「賭博」とは、「偶然の勝敗により財物や財産上の利益の得喪を争う行為」であるとされています。
基本的に刑法は国内で起きた犯罪に対して適用されますが、例外があります。詳しくは、今回の記事を書くにあたり前回の記事内で紹介した刑法の問題に例外に当たるケースが含まれますのでそちらもよろしければご覧ください。
例えば今回の賭博罪については海外でした殺人罪などと違い、日本の刑法で処罰される事はありません。
よくラスベガスやマカオなどでカジノに行ってきた話などは聞いたことがあるとは思います。
これ自体は法律違反に当たりません。
それではインターネットカジノはどうでしょうか?
これについては法律の専門家、国家公安委員会、警察では全く意見が分かれています。それぞれの意見を見ていきましょう。
国家公安委員会の意見
https://youtu.be/E6Q_KAlbkS0 5:19:00あたり。
2021年3月1日、衆議院予算委員会で、森山浩行議員から出されたオンラインカジノについての質問に対して、小此木(おこのぎ)八郎議員(国家公安委員長・内閣府特命担当大臣)はオンラインカジノは違法であり、厳しく取り締まっていくとの見解を改めて示しました。
小此木氏は、「今あるIR整備法の中にカジノ行為というものがあるが、その中にオンラインカジノは含まれておらず、規制の対象にはなっていない。(中略)すなわち、規制の対象になっていないということは、認められていないということ。オンラインカジノが日本で行われた場合、これまでも取り締まっており、起訴されたケースもある。これからも取り締まりは続けていく。」と説明しました。
また、「先週の内閣委員会でもオンラインカジノについて問われたが、警察、国家公安委員長としては厳正に取り締まりを続けていくと答弁した」とオンラインカジノが違法である。と、強調しました。
ある弁護士の意見(※全ての弁護士の総意というわけはありません)
「そもそも賭博罪という法律は100年も前に作られた法律であり、インターネットはどこでもドアの様なもの。海外でその国の人間がきちんと国の認証を得ているものであって、ネット(どこでもドアで海外でカジノをしている。)で賭博行為をしているのだからこれは賭博罪に当たらない。」
という事だそうです。警察は逮捕する!と言ってますが、法律家は起訴はできない!というスタンスでしょうか。
では実際に逮捕された人はいるのでしょうか?
インターネットカジノを利用した人が逮捕された事例はある?
あります。
2016年に海外に運営元があるオンラインカジノを利用した日本国内在住の男性3名が賭博(単純賭博)の疑いで京都府警によって逮捕された事件がありました。
無店舗型のオンラインカジノの利用者が摘発されたのは全国でも初めてであったことから、当時多くの注目を集めました。
そのうち2人は略式起訴で罰金を払い、1人は争った結果「不起訴」となったようです。
略式起訴でも何日間か留置場にいなくてはなりませんし、罰金で何10万円かも払った事でしょう。
争うとなるとおそらく20日間は留置場ですし、弁護士費用もかかった事でしょう。
現在は、判例が少ない為、ケースや事情を踏まえて明らかに「刑法に引っかかる!「起訴されて前科がつく!」と言えません。
先ほど紹介した通り、日本でも沢山の人ら(100万人)が利用しているインターネットカジノですが、現在の時点では国内で賭博開張図利罪や、莫大な利益をあげたりしなければ即刻、逮捕、起訴される可能性は低いかもしれません。
ただし逮捕されたとしても、なんら驚きはしないでしょう。これから判例を積み上げていく段階なのか(略式起訴で済むのに最高裁まで争う元気のある方はあまりいなそうですが笑)、ゆくゆくはIRと合わせて新たに法律を改正、新設されていく事でしょう。
結論は。
インターネットカジノはやめておきましょう。
以上です。