今回は前回に引き続き司法書士試験についてのお話ですが、「難しい…。難しい…。」と前回にお話しました。具体的にどの様な問題が出題されるのでしょうか?
今回は司法書士試験午前科目である、憲法、民法、刑法、会社法から一肢づつ二週に渡り、ご紹介していきたいと思います。法律初心者の方も一度は法学部で習った方もこの機会に力試ししてみてはいかがでしょう。
それではいきましょう。
憲法
第一問
国外に居住していて国内の市町村の区域内に住所を有していない日本国民である在外国民についても憲法によって選挙権が保障されており、国は選挙の公正の確保に留意しつつ、その選挙権の行使を現実的に可能にする為に所用の措置を取る責務を負うが、選挙の構成を確保しつつその様な措置を執ることが事実上不能、又は著しく困難であると認められる場合には在外国民が選挙権を行使することができないこととなっても違憲とはいえない。(平成21年出題)
○か×か?
さて、長ったらしく書いてありますが要するに、外国に住んでる日本人が「私にも日本の選挙で投票させろ!」と訴訟を起こしました。平成17年までは公職選挙法において、在外国民に対し投票の機会は満足に与えられておらず、それは憲法に定められている(日本国籍を有する者には選挙権が与えられる)15条に違反しているのでは?という流れからです。
現代では、投票の機会を得させる方法を考えること、その実現をさせることは国外に住んでる日本人であってもそう難しくないであろう。と裁判所は判断し、「最高裁は国外居住者に対しても措置を執ることが不可能な場合や著しく困難である場合を除いては、従来の公職選挙法は憲法に違反する。」という判断をした。と、いうお話しです。
よって、本問は「不可能な場合、著しく困難な場合は在外国民においても選挙権を与えなくとも違憲ではない。」とあるので、正解は○です。
ちなみに、「措置を執ることが事実上不能、又は著しく困難であると認められる場合」とはアマゾンの奥地や南極など、郵便もネットも届かないところに住んでいる在外日本人などが当たるのかもしれません。
憲法は文章が長く面倒な言い回しが多い問題が多いです。
次は民法を見てみましょう。
民法
第二問 20歳未満の者がいったん婚姻しても、婚姻により成年に達したものとみなされる。
○か×か?
以前当ブログの中でもご紹介したので覚えている方はピンときたかも知れません。
当問題は昭和57年の問題で、当時の答えは○でした。
しかし令和3年に成年者が18歳に引き下げられ、それに伴い成年擬制(未成年の者であっても婚姻をしたものは成年とみなす)規定が削除されました。
よって現在の答えは×です。
今回は以上となります。
いかがだったでしょうか?本試験では一問を5肢の中から選択し答えを導きます。
難しそうだな…と思った方、この程度ならいける!と思った方もいるのではないでしょうか。前回お話しした通り試験は7月の第一週、又は第二週の日曜日に毎年行われます。
興味のある方は是非受験してみてください。
次回は午前科目である刑法、会社法もほんの少しではありますがご紹介していきますので
是非ともご覧ください。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。