地面師などと呼ばれる詐欺グループから身を守る

投稿日:2021年11月1日 更新日:

本人確認情報

昨今、地面師などと呼ばれる詐欺グループにより、自らが関与しないところで勝手に売買されてしまい、買主から第三者へ。

それから転売者へと渡り所有権の復帰が不可能となってしまうケースが横行しております。

原則として、不動産の売買、贈与等において不動産の名義変更する際には、様々な必要書面を要します。基本的な売買に必要な書面を見ていきましょう。

  1. 登記原因証明情報、
  2. 登記識別情報(登記済証)
  3. 印鑑証明書
  4. 住所証明情報
  5. 代理権限証明情報

以上となります。細かくみていきましょう。

 

❶登記原因証明情報とは

登記原因証明情報とは登記原因証明情報は、登記原因となった事実または法律行為にもとづき権利変動が生じたことを証明できるものでなければなりません。

売買にもとづく所有権移転のように共同申請する登記では、登記原因について記載された内容を登記義務者(登記によって不利益を受ける側)が確認して署名押印したもので良いとされています。

従来の登記原因証書と同様、

例 売買契約書 贈与契約書 調停調書など

❷登記識別情報とは

この登記識別情報とはいわゆる不動産の権利証というものです。

昔の映画などで借金を返せない債務者が怖い債権者に持っていかれるようなシーンでよく出てきますが、実際にこの権利証を持っていかれたとしても、映画のようにそれだけで土地を取られたのも同然と言われるわけではありません

登記識別情報登記識別情報とは、登記済証(権利証)に代えて発行されるアラビア数字その他の符号の組合せからなる12桁の符号です。

不動産及び登記名義人となった申請人ごとに定められ,登記名義人となった申請人のみに通知されます。

登記の申請の際には、本人確認のため,登記識別情報を登記所に堤供します。登記識別情報通知書が盗まれたり,盗み見られた場合は、不動産を管轄する登記所の登記官に対し,失効の申出をすることができます。

なお,再発行及び番号の変更はできません。

印鑑証明書

印鑑証明情報も登記識別情報(登記権利証)と同じく本人確認(所有者であることを証する書面)の一部として添付が必要となります。

 

❹住所証明情報

住所証明情報とは不動産の売買契約においての買主を証する書面です。

不動産を購入、受贈または相続した人についてはその後固定資産税が課税されることとなります。

その者の住所などに変更がないか、実在するか等を証する書面として住民票の写しなどが該当します。

 

❺代理権限証明情報

代理権限証明情報とは、売買、贈与、相続などによる所有権移転登記を司法書士に申請の代理権限を与え、委任した場合に必要となる書面です。

売買であれば司法書士宛の委任状、未成年者が単独でする事ができない法律行為等により特別代理人の委任を要する場合であれば特別代理人の選任審判書などがこれに当たります。

原則で言えば登記の名義変更に必要な書面はざっとこの様な種類が必要です。

登記識別情報 登記済証、(権利証)が提供できない時

登記識別情報を紛失、失念、した場合には以下の3つの方法でこれを代替することができます。

  • 事前通知

「権利証・登記識別情報」は不動産売主が本人からの申請であることを法務局が確認するための資料ですので、紛失や失念した場合には、これに代わる手続きを行うことで登記をすることができます。

具体的には登記官による「事前通知」、資格者代理人等が作成した「本人確認情報の提供」となります。

登記官による「事前通知」とは、登記を受け付けた法務局から登記名義人に宛てて本院限定受取郵便により登記の申請があった旨及びその申請が事実である場合は2週間以内にその旨の申し出をすべき旨の通知を行い、この通知に対して間違いない旨の申し出がされれば本人からの申請であることの確認がされたものとする手続きです。

しかし、この手続きは2週間以内に本人である旨の申出が無ければ登記が却下されてしまう可能性がある為、実務ではあまり使う事はありません。

  • 資格者代理人による本人確認

資格者代理人等が作成した「本人確認情報」の提供とは、登記申請の委任を受けた司法書士が登記義務者本人であることを確認した旨の書類(本人確認情報)を作成し、これを法務局に申請情報と一緒に提供する手続きです。

これは登記の実行という観点でいえば事前通知より安全性が高いという観点からよく使われます。

事前通知より若干費用は掛かりますがその後の紛争を考えれば登記を確実に実行させる為にこちらをお勧めします。

  • 公証人による本人確認

権利証等を紛失した場合の本人確認情報は、司法書士だけでなく公証人も作成することができます。

公証人役場で、本人確認の証明をしてもらい、登記申請の際に、公証人の認証した文書を登記申請書と一緒に登記所に提出します。

公証人役場には、司法書士に対する登記申請代理の委任状等を事前に作成して持参します。

公証人の面前で、これらの書類に、署名、実印を押印し、公証人が、間違いなく本人であることを確認し、その書類が真正なものであることを認証します。

なお、この公証人の認証を取得するためには、ご本人自ら公証人役場に行っていただき、公証人と直接面談し、上記②の資格者代理人の本人確認情報の提供制度の場合と同様、運転免許証、パスポート等の証明書を用意していただく必要があります。

この場合、公証人の手数料は数千円程度の認証手数料が掛かります。

安全性は一番ですがこちらは公証人役場に出向く事、ある程度作成まで時間がかかることがデメリットとなるでしょう。

 

以上が登記に必要な書面、主に登記識別情報を紛失した際の手続きでした。登記申請は司法書士が代理して行います。

その際に登記識別情報(権利証)が見当たらない時には必ずしも必要であるとは限りませんので、無用な手間や出費を抑える為にも、必ず司法書士にご相談ください。

 

今日は以上です。

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