司法書士試験とは、文系の国家資格のなかでも特に難易度が高いといわれている資格です。今回は司法書士試験の難易度や司法書士資格がない者ができない業務など、司法書士試験の概要についてもお話ししていきたいと思います。
①司法書士試験の受験資格
司法書士になるためには学歴、性別、年齢、に制限はなく誰でも受験することが可能です。
②司法書士になる為の要件
司法書士になるためには基本的には年に一度の司法書士試験合格しなくてはなりませんが、資格試験の合格だけが、司法書士になる唯一の方法ではありません。
裁判所や検察局に一定期間勤めた経験があれば、司法書士の資格が与えられます。
しかし、これには最低でも裁判所や検察局で10年以上のキャリアを積むことが条件であり、その上法務大臣の認定も受ける必要があります。誰しもが裁判所事務官や検察事務官などになれるわけではないので、一般的には資格試験合格の道を目指す方法が選ばれています。
③試験内容は?
筆記試験は毎年7月の第1、または第2日曜日に実施されます。筆記試験に受験資格はなく、たとえ中学生や高校生であっても挑戦の道が開かれています。但し、司法書士として登録する為には、成人であることを要します。(今年から18歳になります。)
午前の部
択一式のマークシート形式で行われ、「憲法」「民法」「刑法」「会社法」の中から計35問出題されます。
午後の部
択一式のマークシート形式と記述式の2科目が実施されます。択一式では「不動産登記法」「民事訴訟法」「民事執行法」「民事保全法」「供託法」「司法書士法」「商業登記法」から計35問、記述式は「不動産登記法書式」「商業登記法書式」から各1問ずつ出題されます。
合格率は?
昨今は受験者数が減少傾向にありながらも一定数の司法書士を確保したい観点から合格率は徐々に上がってきており現在は4%程です。
それでも昨年は12000人が受験し、およそ500人程しか合格できないので超難関と言えるでしょう。
令和2年合格者平均年齢は40.2歳と高めです。これは一度社会を経験した脱サラ組が挑戦する一発逆転最後の資格とも言われる所以かも知れません。
男女比は男性が7割女性が3割と、他業種と比べ比較的女性が多く活躍している業界であると言えるでしょう。
司法書士の業務内容について
他人の依頼を受けて行うことのできる司法書士の業務は、多岐にわたりますがその内容は主に以下の様なっております。
- 登記又は供託手続の代理
- (地方)法務局に提出する書類の作成
- (地方)法務局長に対する登記、供託の審査請求手続の代理
- 裁判所または検察庁に提出する書類の作成、(地方)法務局に対する筆界特定手続書類の作成
- 上記1~4に関する相談
- 法務大臣の認定を受けた司法書士については、簡易裁判所における訴額140万円以下の訴訟、民事調停、仲裁事件、裁判外和解等の代理及びこれらに関する相談
- 対象土地の価格が5600万円以下の筆界特定手続の代理及びこれに関する相談
- 家庭裁判所から選任される成年後見人、不在者財産管理人、破産管財人などの業務
司法書士は、国民の権利の擁護と公正な社会の実現のため、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実にその業務を行わなければならないという重い責任を負っております。
この他にも本ブログで紹介した様々な業務を当所では多岐に渡りお受けしております。
法律に関する事で困った事、わからない事など御座いましたらお気軽にお電話ください。