名変登記②

投稿日:2022年8月16日 更新日:

登記所が指名又は名称及び住所の変更を不動産登記に反映させる為の仕組み

 

今回は前回に引き続き名変登記についてです。

前回の記事と合わせてお読みいただければと思います。

それでは早速見ていきたいと思います。

 

(職権による氏名の変更の登記)

不動産登記法第76条の6 (新設)

 

登記官は、所有権の登記名義人氏名若しくは名称又は住所について変更があったと認めるべき場合として法務省令で定める場合には、法務省令で定めるところにより、職権で氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記をすることができる。ただし、当該所有権の登記名義人が自然人である時はその申出があるときに限る。

※職権でする登記とは、登記官が申請人の申請によらずにし職務権限においてする登記を指します。

 

実効性確保のための方策

登記名義に対していわゆる「名変登記(変更があったときに限る。)」の申請を義務付けたことに加えて(新不動産登記法第76条の5)登記官が職権で氏名等の変更の登記をすることができるものとされ、それに必要な限度で登記官が関係地方公共団体の長などから、不動産の所有者等に関する情報の提供を求めることができる仕組みが導入されました。(新不動産登記法第151条)

 

これは、今回の義務付けによって通常通り名変登記を行わない名義人であっても、登記官が勝手に所有者の住所などを調べる事ができ、名変登記を自動的にやってくれる事ができるようになった。という意味です。

 

それでは自然人と法人の予めしておく手続きを見ていきます。

 

【自然人の場合】

  •  所有権の登記名義人からあらかじめその氏名、住所のほか、年月日等の検索用情報の提供を受けて行う。つまり、登記申請人は、登記申請の際に氏名、住所のほか、生年月日等の検索用情報の申出を行う。

 

  •  登記官が検索用情報等を用いて住民基本台帳ネットワークシステムに対して、定期的に照会し、所有権の登記名義の氏名住所等の異動情報を取得する。
  •  登記官が、取得した情報に基づき、登記名義人に住所等の変更登記をすることについて確認をとった上で、変更の登記をする。

確認を取る趣旨は、細心の住所を公示することに支障がある(DV被害者等)も、存在し得ることや、個人情報(プライバシー)保護の観点から住民基本台帳を閲覧することができる理由を制限している住民基本台帳制度の制度趣旨と踏まえてのことです。

 

【法人の場合】

  • 法人が所有権の登記不動産について会社法人等番号を、登記事項に追加する。
  • 法人・商業登記システムから不動産登記システムに対し、名称や住所を変更した法人の情報を通知する。
  • 取得した情報に基づき、登記官が変更の登記をする。

(自然人の場合と異なり登記人に変更登記をしていいかどうかの確認は取らない。)

 

 

自然人と、法人には手続きの違いがあるので注意が必要です。

 

以上今回も大きな改正点となっています。今回で名変登記の改正部分は最後となります。

次回も是非ご覧ください。

 

今回はここまで。

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