相続等により取得した土地を国庫に帰属させるための制度を創設

投稿日:2022年1月15日 更新日:

先日令和3年12月14日に以前より当ホームページでも告知しておりました通り、相続登記の義務化。それに伴い所有者不明土地の関連法等の施行日が閣議決定されました。

 

本日はそれに伴い、所有者不明土地の関連法についてお話ししていきます。

 

施行日の決定!

 

・相続登記の義務化

令和6年4月1日施行

 

・所有者不明土地の管理制度、管理不全土地の管理制度の創設

令和5年4月1日施行

 

・土地を手放すための制度の創設

令和5年4月27日施行

 

上記の様に閣議決定されました(R3.12/14)

 

以前に相続登記の義務化については当ブログにおいてお話しさせていただきました。

https://kubohiro.com/archives/62

 

 

今回は、所有者不明土地の解消に向けて法改正の一部として相続登記の義務化や所有者の住所変更、氏名変更登記、いわゆる名変の義務化(名変登記の義務化に関しては、まだ施行日は決まっておりません。)などに加え、相続等により取得した土地を国庫に帰属させるための制度を創設しました。こちらを見ていきましょう。

 

 

所有者不明土地の発生予防

地方の土地利用ニーズの低下により、土地を相続したものの、土地を手放したいと考える所有者が続出していますが、すぐに売却することもできず、土地を望まずに取得した所有者の負担が増しており、管理の不全化を前いている現状です。

そこで相続、または遺贈によって(相続人に対する遺贈に限る)取得した土地を手放して国庫に帰属させる事を可能とする制度を創設しました。

 

国庫に帰属させるための要件

通常の管理または処分をするに当たり過分の費用又は労力を要する以下のような土地に該当しないこと

 

  • 建物や通常の管理又は処分を阻害する工作物等がある土地
  • 土壌汚染や埋設物がある土地
  • 崖がある土地
  • 権利関係に争いがある土地
  • 担保権等が設定されている土地
  • 通路など他人によって使用される土地

 

 

上記の様な管理コストを国に転嫁する様なおそれのない土地に関しては、所有者は国に対し国庫帰属するための承認申請することができます。

 

 

承認申請の流れ

  • 承認申請

申請権者は相続により土地を取得した者※(共有地の場合は共有者全員で申請する必要あり)

  • 法務大臣による要件審査・承認

・法務大臣、(法務局)実地調査、国有財産の管理担当部局等に調査の協力を求めることができる。

・運用において、国や地方公共団体に対して承認申請があった旨を情報提供し、土地の寄附受けや地域での有効活用の機会を確保

 

  • 申請者が国や地方公共団体に対し、管理費用相当額の負担金の支払い

申請者が10年分の土地の管理費用相当額の負担金を納めると晴れて国庫へ。

 

と、この様な流れになります。

 

 

このように、相続が開始した際に相続の登記をしない、または相続放棄をせず、利用できない土地を相続してしまうと大変な負担が残された者にのしかかっていきます。

ただし現在このような利用できない土地の所有者も上記のような一定の要件を満たすことで土地を放棄したかのように国庫へ帰属させることもできるようになりました。

現在このような問題で困っている方が多数おられます。又、これから遠くない未来にこのような問題に直面する方もこれから増えてくることでしょう。

今回の改正において言えること、大事なことは早めの対策です。親が元気なうちにさまざまな対策を立てることでこの様な問題も安い費用で早期解決できることは間違いありません。専門家への早い相談をお勧めします。

 

今回はここまで。

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