保証⑤ 債権者の保証人に対する情報提供義務

投稿日:2022年3月19日 更新日:

債権者の保証人に対する情報提供義務

 

今回も引き続き保証についてです。今回は保証人に対して債権者が主債務者の情報を提供しなくてはいけなくなった。という改正点です。
これは債務者が今現在どのくらい借金を返したか?莫大な借金を抱えた債務者が夜逃げしてしまった時などに、債権者が保証人に情報提供義務を課すことになりました。
早速みていきましょう。

 

改正点①

保証人が主債務者の委託を受けて保証をした場合に、保証人から請求があると、債権者は、遅滞なく、主債務の元本債務及び従たる債務(利息,違約金,損害賠償など)について、それぞれの不履行の有無、未払いの各債務残額そのうちの弁済期到来分の額に関する情報を提供しなければなりません(民法458条の2)

 

これは例えば、AがBに対して1000万の債権があったとします。そのBの債務をCが保証しました。この時に、もしBが払えなくなってしまったら当然ですが保証人のCがこの借金を返済しなくてはならなくなります。保証人CはBがきちんと毎月支払っているか?とAに対して情報の提供請求することができる様になりました。これを債権者が怠ると保証人のCは債権者のAに対して損害賠償請求することができる様にもなりました。

 

債権者が情報提供義務を怠り、保証人が損害を被った時は、保証人は債権者に対して生じた損害の賠償を求めることができます(民法415条)

 

改正点②

保証人が個人である場合に、主債務者が期限の利益を喪失したとき、債権者は、期限の利益の喪失を知った時から2ヶ月以内に保証人に通知(2ヶ月以内に到達)しなければならず、通知をしなかったときには、期限の利益を喪失した時から通知を現にするまでに生じた遅延損害金を保証人に請求することはできません(民法458条の3)

 

期限の利益の喪失とは

期限の利益とは約束した弁済期までに返済をすれば良いという権利です。世の中のお金の貸し借りのほとんどが「いついつまでに返してください」という様に弁済期があります。そしてこの利益を「喪失」すると債務者はすぐに一括して弁済しなくてはならなくなります。ではどの様な時に期限の利益の喪失に当たるか。以下を参照ください。

 

期限の利益の喪失に当たる場合(民法137条)

  1. 債務者が破産手続開始の決定を受けたとき。
  2. 債務者が担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたとき。
  3. 債務者が担保を供する義務を負う場合において、これを供しないとき。

 

上記は民法上の期限の利益の喪失となります。

ただし、債権者が法人である金銭消費貸借契約(金の貸し借り)では、必ずといっていいほど、期限の利益喪失についての規定があります。
債権者は、契約で民法が規定する以上の期限の利益喪失事由を追加しているはずです。 たとえば、以下の事由です。

  • 約束の期日までに返済しなかった
  • 契約違反をした
  • 契約するときに虚偽の申告をした(年収をごまかしたなど)
  • 再生手続きをした

 

話を戻して、上記の利益を喪失した時には債権者は2ヶ月以内に保証人に対して通知することとなりました。保証人も突然では心の準備もできないでしょう。保証人が借金を代わりに払う可能性が高まったよ!と通知をしなくてはならなくなったわけです。

 

なお、改正点①の履行状況等の通知は委託を受けた保証人にのみ通知をすればよいこととされています。

改正点②の期限の利益の喪失の際の通知は保証人が法人の場合には適用されません。なぜなら保証人が法人である場合この手のプロなので、債務者が破産した!飛んだ!などはすぐに耳に入るのです。というわけで、個人の保証人であれば、委託を受けた保証人も受けていない保証人も提供義務があります。

 

本日はここまでです。

次回も保証について、まだまだ続きます!

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