債務者の変更について
今回も引き続き保証についてです。まだまだ改正点がありますのでどんどん行きましょう。今回は債務引受の際の保証人についての改正です。
債務引受とは?
債務引受けとは、債務をその同一性を失わせないで債務引受人に移転することをいいます。
また、債務引受けには併存的債務引受の要件及び効果に規定する併存的債務引受及び免責的債務引受の要件及び効果に規定する免責的債務引受があります。
どちらも債務引受けに含まれますがどの様な違いがあるのか。みていきたいと思います。
- 併存的債務引受
引受人は新たに同一の内容の債務を負担するが、債務者も依然として債務を負担し、債務者と引受人が連帯債務関係となります。(以前までは重畳的債務引受)と呼ばれていました。
- 免責的債務引受
債務者は債務を免れて、引受人が新債務者としてこれに代わって同一内容の債務を負担することをいいます。
併存的債務引受の成立要件
併存的債務引受は債権者と新たな債務者(引受人)又は、旧債務者と引受人との契約により成立します。
併存的債務引受は債権者も債務者もどちらであっても、新たな債務者である引受人との契約によってすることができます。
債権者と引受人が併存的債務引受を行うのに旧債務者の同意は不要です。(改正点)
これは、旧債務者が特に不利益を受けることがない為であるのと求償することができなくなったので、意志に反しても可能となりました。
旧債務者と引受人が併存的債務引受を行う際には債権者の承諾があれば可能です。そしてこの効力は引受人に対して承諾をしたときにその効力が生じます。
免責的債務引受の成立要件
免責的債務引受は、債権者と引受人または債務者と引受人との契約により成立します。
併存的債務引受と同じく、免責的債務引受も債権者と債務者のどちらでも、引受人との契約によってすることができます。
ただし、債権者と引受人との契約によってした場合、債権者が債務者に契約をした旨の通知をしたときに効力が生じます。債務者と引受人との契約によってした際には、併存的債務引受と同様に債権者が引受人に対して承諾をしたときにその効力が生じます。
そしてこちらも改正点として旧債務者である引受人の意思に反していても債権者と新たな債務者(引受人)の間で免責的債務引き受けすることができる様になりました。
この様に債務引受によって債務を移す際には、元々いた保証人の承諾がなくてはいけません。新たな債務者の為に保証する事と同様の状況である為、この時にも、保証人が書面によって承諾することが必要となります。
第472条の4
1項
債権者は、第472条第1項の規定により債務者が免れる債務の担保として設定された担保権を引受人が負担する債務に移すことができる。ただし、引受人以外の者がこれを設定した場合には、その承諾を得なければならない 。
3項
前二項の規定は、第472条第1項の規定により債務者が免れる債務の保証をした者があるときについて準用する。
なお、更改についても同様の規定があります。
今回はここまでとします。
また次回もよろしくお願いします。